HOME > プレスリリース > 2008.11.18 経済産業省発表 ベストプラクティス25に選定

2008.6.2 経済産業省 プレスリリース



経済産業省は平成20年11月、持続可能な産業・社会への転換を実現するための「環境を『力』にするビジネス」の成長戦略について審議してきた結果、主要200事例から25例を選定し発表しました。先進的環境ビジネスとしてその企業のノウハウ・成功要因を分析しています。
弊社は長年の環境製品への取組みが評価されて名誉ある25社の中に推挙されました。発想と技術的裏付けのコラボレーションが結実しました。

(以下、経済産業省プレスリリースPDF『ベストプラクティス集』 より抜粋)





◆事業概要
1. ナチュロック多孔質環境ブロック
天然石とブロックが一体化した環境ブロック
2. ナチュロックビオボード
生態系を育成する薄型、軽量の多孔質環境天然石複合コンクリートボード
3. ナチュロックビオフィルム
軽量、薄型の基盤をベースに多孔質天然溶岩石を複合した土木環境リフォーム資材

◆ビジネスの中核 : コンクリートと天然石の複合製造技術

◆ノウハウ・成功要因
状況変化・ニーズに迅速・適切に対応した環境ビジネスモデル変革、技術・製品開発等
・ コンクリートブロックが自然景観破壊につながるとの危惧、多孔質天然石が植物の成長に有効との理解から、コンクリートブロック表面に溶岩等の天然石を貼り込み一体化させる技術を確立し、コンクリートと天然石の複合素材・製品V溶岩ブロック(を開発。
・ ビオトープの取組が日本で広まり、河川改修事業での引き合いが増えた一方、溶岩ブロックの重量などが施工面で課題となったので、溶岩ブロック開発技術を応用し、コンクリートの護岸を解体することなく修景が可能な軽量製品を開発。輸送の手軽さ、施工の容易さから受注増。
・ その後、国土交通省がコンクリート製品を極力使わない河川護岸づくりに着手したことから売上が激減したため、溶岩ブロック開発技術をさらに応用し、コンクリートを一切使わず折り曲げ加工が可能な超軽量・超薄型の製品を開発。 ・ 壁面緑化推進の動きから、首都高速のリニューアル工事で採用。

経営トップによる明確な環境への取組方針の提示と環境人材育成の推進
・ 社長が自らの自然体験と知見を踏まえ環境の取組に着手。
第三者の評価
・ 当初景観面で高く評価され、徐々に環境面でも評価されるようになった。環境NGO、環境市民団体、国際会議からも高い評価。
ブランド戦略・環境コミュニケーション戦略
・ 溶岩のイメージ払拭のため、溶岩と呼ばず多孔質天然石と呼び、天然石を意識させる「ナチュロック」というネーミングを採用。

◆阻害要因の克服
・ 溶岩の持つイメージや、国の公共事業における方針転換等、事業を阻害する要因を、ブランド戦略や、コンクリート表面への天然石貼り込みの技術をコアとする迅速な技術開発で克服してきた。

◆ビジネス立ち上げ期
溶岩でコンクリートを覆う
・山梨県富士吉田市に生まれた佐藤氏は、幼少の頃から富士山や青木ヶ原樹海の風景を見て育ち、溶岩のような多孔質天然石が植物の成長に有効であることを理解していた。
・地元のコンクリート会社設立に参加したが、コンクリートブロックが逆に自然景観の破壊につながるのではないかと危惧を抱き、コンクリートに溶岩などの天然石を埋め込む複合素材の開発に着手。コンクリートブロック表面に溶岩等の天然石を貼り込み一体化させる技術を確立し、コンクリートと天然石の複合素材・製品(溶岩ブロック)を開発。
・1985年、富士山の安全対策として六合目付近の土留め壁建設工事にて引き合いがあり、国立公園を管轄する環境省が警官面で溶岩ブロックを強く推したこともあり、採用されることとなった。これが溶岩ブロックを用いた最初の施工事例となった。

“溶岩”の持つ負のイメージを払拭
・富士山六合目の工事の後、天然石ブロックの引き合いは伸びたものの溶岩ブロックは施工実績が無く、また、製品の認知も山梨県内にとどまっていた。このような状況を打破するため、1987年のグッド・リビングショウにて溶岩ブロックを出展した。出展後、関西の大手ゼネコンから兵庫県三田市内の宅地造成工事で溶岩ブロックを使用したいとの問い合わせがあったものの、「高級住宅地になぜ溶岩なのか」といった疑問を払拭することができず、結局溶岩ブロックの納入には至らず、地元の天然石を用いた天然石ブロックでの納入となった。
・このときの経験から、“溶岩”とは言わずに“多孔質天然石”と呼ぶようにし、製品名も「ナチュロック」(1987年に商標登録)としてイメージ向上を図ることとした。

◆事業展開期
会社設立と専用工場の建設
・1987年12月、コンクリート会社から独立する形で日本ナチュロック株式会社を設立。山梨県内を中心に施工事例を伸ばした同社は、1991年には約2億円をかけて山梨県西桂町にナチュロック製品専用の製造工場を建設。
・当時としては冒険的な設備投資ではあったが、1991年に発生した西湖の異常出水に伴う富士五湖湖畔の改修工事において大量の発注を受託。富士山六合目での実績から、周囲の景観になじんだ施工が可能との評価により選ばれた。このため、多額の設備投資にもかかわらず経営を軌道に乗せることができた。
・その後も施工事例を着実に伸ばし、首都圏での引き合いも増えたため、首都圏の営業拠点として1994年に東京事務所を開設。翌1995年には本社機能を東京へ移転させた。東京進出後、首都圏での施工実績を着実に伸ばし、施工実績は1986年の69uから1996年には21万7400uまで増やすことができた。

新製品の開発
・このころ、ドイツから始まったビオトープの取組みが日本にも広まりだし、多自然型川づくり推進の動きとも相まって、河川改修事業での引き合いも増えてきた。しかし、当時の製品はコンクリートブロックに天然石を埋め込んだもので重量も重く、容易に施工できるものではなかった。
・そこで、溶岩ブロック開発技術を応用し、コンクリートの護岸を解体することなく修景が可能な軽量製品「ナチュロック ビオボード」を開発。輸送の手軽さや施工の容易さなどが受け、多くの護岸工事で採用された。

◆事業成長期
逆境をバネに、さらなる軽量化を追及
・環境NGOによる調査でナチュロック製品の生態系保全への有効性を実証。コンクリート製品に関する国際会議で高い評価を得たほか、環境保護団体からも使用を推奨されるなど、景観面だけでなく環境面でも高い評価を得られるようになった。
・しかし、国土交通省がコンクリート製品を極力使わない河川護岸づくりの取組を始めると、ナチュロック製品もコンクリート製品とのレッテルを貼られ売上高が激減。
・そこで、溶岩ブロック開発技術をさらに応用し、コンクリートを一切使わず折り曲げ可能な超軽量・超薄型の製品「ナチュロックビオフィルム」を開発。さらに、壁面緑化推進の動きをにらみ、首都高速道路鰍ニの共同開発によって遮音壁に天然溶岩石を組み合わせた「ビオボードBOX」を開発した。
・「ビオボードBOX」は首都高4号線代々木PAのリニューアル工事で採用され、環境に配慮したエコ・パーキングエリアのモデル事例として高い注目を集めている。

◆今後の展開方策
・壁面緑化が今後市場として伸びてくると考えられることから、それに対応した製品を提供していきたい。
・環境ビジネスは広がるまでに時間がかかる。そのスピードを速めるため、大手商社やメーカーなどの連携・提携を図りたい。

経済産業省プレスリリースPDF『ベストプラクティス集』