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壁面緑化と屋上緑化を実現する溶岩カー
溶岩カー
幕張メッセ 東京ビッグサイトに展示した溶岩カー
  ナチュロックビオフィルムに覆われた「溶岩カー」は、水辺の修景からエクステリアやガーデニングまで、ビオフィルムが都市の多様な空間で、屋上緑化や壁面緑化を可能にすることを証明した「動くモニュメント」です。屋根やボンネットの部分は「屋上緑化」を、側面のドア部分は「壁面緑化」をあらわしています。建物の屋上や垂直の壁面であってもビオフィルムを貼り付けることにより、緑化が可能になることを表現しています。ビオフィルムの表面には多孔質な素材である溶岩が埋め込まれていて、四季の変化とともにコケ類をはじめとする植物が自然発生していきます。溶岩の凹凸が足場となり、ツタ類や小動物も壁面を這い、ビオフィルムの表面には失われた生態系が再生されていきます。
無機質なコンクリート護岸を覆うビオフィルム
〜バイオフィルムが形成される超薄型・超軽量の多孔質環境複合製品〜
ビオフィルム
日本ナチュロックは、都市部の中小河川や農村部の用水路などの護岸を中心に生態系育成型修景資材を供給してきましたが、このほど施工性に優れた超薄型・超軽量の多孔質環境複合製品「ビオフィルム」を開発しました。 「ビオフィルム」は、特殊なフィルムを基盤材にして、基盤材の表面には多孔質な素材が複合化されています。無数の空隙が内部にまで広がっている多孔質環境は微生物が生息しやすく、コンクリートなどで固められた壁面をビオフィルムで覆うことにより、ビオトープ創出の大きな要因となっている「バイオフィルム(微生物共同体)」が形成されやすくなります。このため四季の変化とともに植物が自然発生し、自然環境を遮断する構造物として指摘されてきたコンクリート護岸などでも垂直緑化が可能になり、失われた自然生態系の回復、育成が促されていきます。 またビオフィルムの多孔質な素材は水質の浄化や二酸化炭素を吸収する効果があり、河川環境の改善や地球温暖化現象の緩和にも貢献します。ビオフィルムの具体的な特徴を整理すると、次のような点があげられます。
ビオフィルムの特徴
○既存構造物を壊す必要がないので、経済性に優れ、施工費用を大幅に軽減する
既存構造物を壊さずに壁面を覆う工法なので、重機などを必要とせず、施工時の周辺環境への影響を抑えながら、自然環境の保全、再生が可能になります。
○曲面構造物など、多様な空間の壁面を覆うことができる
超薄型・超軽量で柔軟性のある構造になっているため、アーチ型の曲面構造物などの表面を簡単に覆うことができ、カットも簡単なので作業が迅速に進みます。またコンクリート・鉄・アルミ・木材製品などとの複合が可能です。
○多様な生態系を保全し、再生し、豊かな自然環境が培われていく
ビオフィルムの多孔質環境は微生物が付着しやすく、コケやツル類などの植物が自然発生し、昆虫や微小動物の餌場、非難場、暮らしの場になっていきます。
○水辺では水質の浄化を促し、都市部ではヒートアイランド現象の緩和に貢献する。
無数の空隙が内部にまで続く多孔質環境は水を浄化する働きがあり、河川環境の改善に役立ちます。また多孔質環境と植物の生長が相乗効果を生み、二酸化炭素や熱を吸収し、建築物や屋上に施工することで、ヒートアイランド現象を緩和します。
豊かな生態系を創出うする「バイオフィルム」の営み
〜ビオフィルムの多孔質環境がバイオフィルムを作る〜
ビオフィルム
「ビオフィルム」という名前は、自然界の造形物の表面に形成されている「バイオフィルム」をドイツ語風に読んだものです。バイオフィルムは直訳すると「微生物共同体」という意味で、自然界に存在する造形物の表面には微生物が付着していて、微生物は単独で生きているのではなく、多種多様な微生物の共同体を形成し、共同体内での活発な営みが生態系の再生や育成、保護、環境浄化を促す役割を担っています。ビオトープの創出や生態系を保全していくためにはこうした共同体内での活動が必要不可欠で、無機物である自然石の表面にもバイオフィルムが形成されています。しかしながら、表面が滑らかなコンクリート構造物の壁面は微生物さえ付着しづらく、バイオフィルムが形成されにくいので、生態系を遮断し、時が経過しても自然の風景には同化せず、むしろ違和感を与える存在になています。こうした人工の構造物の壁面に多孔質環境を創出させ、バイオフィルムを形成しやすくしたのがビオフィルムです。無機質な壁面をビオフィルムで覆うと、四季の変化とともにコケやツル類などの植物が自然発生し、昆虫や微小動物も集まってくる環境が創られていきます。また既存の構造物だけでなく、コンクリートブロックなどの建築・土木製品の表面にビオフィルムを貼り付けることで、その製品は多孔質環境ブロックに生まれ変わるため、コンクリートメーカーなどに供給が可能です。
ビオフィルムとビオボードのテーマは「覆う」
 ビオフィルムの姉妹品に、当社が1996年に開発した「ビオボード」があります。ビオボードは基盤材に薄型のコンクリートボードを使っていますが、その表面には多孔質な素材が埋め込まれ、ビオフィルムに劣らない機能を備えています。基盤材に使う素材の違いはあっても、垂直の壁面に生態系が育まれ、自然環境に溶け込んでいくという本質的な特徴は何も変わっていません。  この2種類の製品の最大のテーマは「覆う」ということでした。シンプルに言ってしまえば、コンクリート製品の冷たい地肌が問題なら、バイオフィルムの形成や植物の自然発生が可能になる多孔質な素材で覆ってしまえば良いというのが開発のコンセプトでした。ビオフィルムとビオボードを組み合わせて施工することで、水辺から街路へ、街路から都市へ、都市から住まいへと、あらゆる空間をつなげる壁面を、自然の息吹が感じられる環境に修景していくことができます。  2000年の河川環境展では、日本ナチュロックの製品紹介の他に、市販されている乗用車をビオフィルムとビオボードで覆った「溶岩カー」を展示しました。この溶岩カーはドアや側面の部分が壁面緑化を、ボンネットや屋根の部分が屋上緑化を表現しています。アーチ型の曲面を描く構造物であってもその表面を覆うことができるという、ビオフィルムやビオボードの優れた施工性をご理解頂けるかと思います。
溶岩カーの写真集
溶岩カー1
溶岩カー2
溶岩カー3
溶岩カー4
溶岩カー5
溶岩カー6
溶岩カー7
溶岩カー8