1992年6月3日
日本ナチュロックのコンクリブロック
1992年2月6日 日刊工業新聞
景観保護が“追い風”に 日本ナチュロックのコンクリブロック
天然石利用で需要急伸 今年度の受注量 70%増の25万個
【甲府】 自然景観保護の高まりを“追い風”に、需要は急伸――。日本ナチュロックはコンクリートブロックの表面に天然石をはめ込んだ「ナチュロック=製品名」の生産に追われている。表面を覆う天然石が建物や周囲の景観を引き立てることから、河川・公園の築堤、土留め材料、土木・造園用として受注が相次いで舞い込んでいるため。今年の受注量は前年度比70%増近い25万個、来年度は40%増の35万個を見込んでいる。
セールスポイントの天然石は、基本的に種類、形状を問わず、一定のコンクリートブロックの表面にはめ込む。製造する際、石の存在を目立たせ、しかもコンクリートとはがれないようにするのが技術的なミソ。要望に応じて主にみかげ石、蛇紋岩、鉄平石、コケを生やすこともできる溶岩類を使っている。これまで全国23社に、その製造技術を供与している。
コンクリートのみのブロックと比べ割高になるが、耐久性・対候性は変わらず、自然景観を損なわない。逆に“引き立て役”にさえなる。景観保護、環境美化が叫ばれる中で、注文が相次いで舞い込むモテモテぶり。
こうしたことから、受注件数は製法を開発し、本格営業始めた1986、7年度は十件に満たなかったが、88、89両年度は40件前後、90年度は50件以上と急伸。今年度、来年度の受注量は、それぞれ前年より十万個ずつ伸びる勢いだ。各自治体、ゴルフ場への納入のほか、ニュータウン建設用も増えている。
同社では、製造・販売強化策として昨年、工場を新設するとともに、ナチュロックを積み重ねた施工後のカラー景観が事前にイメージできるコンピューターによるシミュレーションシステムを導入している。