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1992年6月3日

結束固め普及に拍車

1992年6月3日 日刊工業新聞

今秋メドに全国組織
結束固め普及に拍車 天然石情報の収集も図る

【甲府】日本ナチュロック(山梨県西桂町、社長佐藤悦三氏)が、今秋をメドに「全国ナチュロック会」(仮称)を設立する。「ナチュロック」は、河川・公園の築堤や山間部の土留め材などを主力用途に、コンクリートブロックの表面に天然石をはめ込んだもので、自然景観保護の高まりを“追い風”に生産が活発化していることから、その製造技術を供与している全国23社を軸に結束を固めて、一層の普及に力を入れる。同時にセールスポイントの天然石について、全国的な情報収集を図ろうという狙いも込めている。

ナチュロックは表面を覆う天然石が建物や周囲の景観を引き立てることから、河川・公園のほか、ニュータウン、マンションなどの築堤、土木・造園用として需要はおう盛。91年度の受注量前年度比70%増近い25万個、今年度は倍増の50万個に迫る勢い。
こうしたことから、同社では、製造技術の供与と営業ノウハウの指導を行っている北海道から沖縄にまたがる全国23社を中心に「全国ナチュロック会」を組織化、普及に拍車をかける。すでに3年前、北海道地区の6社による北海道ナチュロック会(札幌市)が発足しており、設立後はこれを支部に衣替えする計画。さらに全国に散在する天然石の情報収集の一元化とデータの蓄積機能を持たせる。「各地でとれる安価な天然石を、それぞれの地域の景観保護用として使ってもらうことが最も好ましい。また、そうしたニーズも強い」(同社)ためで、普及促進を図るうえで、欠かせないとの判断がある。
ナチュロックは、コンクリートの表面に基本的に種類、形状を問わない天然石をはめ込む。石の存在を目立たせ、しかもコンクリートとはがれないようにしているのが技術的なミソ。ニーズに応じて、みかげ石、安山岩、蛇紋岩、鉄平石のほか、コケが生えやすい溶岩など約十種類の石を使っている。

同社では、地元・山梨県から土木会社を通じて十万個の大量受注にこぎつけている。これは昨年末から秋にかけて来襲した台風と長雨で、大きな被害を受けた富士五湖のうち、西湖、本栖湖、精進湖各湖畔の護岸改修工事に採用されるもの。このほか公共工事関連にとどまらず民需向けの実績も多い。