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1992年10月28日

販売体制を強化


1992年10月28日 日刊工業新聞

販売体制を強化
本社新築、景観研も併設 来春には全国組織を設立

【甲府】日本ナチュロック(山梨県南都留郡西桂町倉見1378−1、社長佐藤悦三氏)は、自然景観保護の高まりを“追い風”に、コンクリートブロックの表面に天然石をはめ込んだ「ナチュロック」(商品名)の需要急増に伴い、販売体制の積極拡充に乗り出した。93年春、甲府市内に本社を新築、移転するとともに「景観研究所」を併設し、蓄積したソフトと新しいデータの収集に基づいて、景観保護策を提起していく。これと合わせ、ナチュロック製造技術を供与している全国23社が集まって、92年秋に計画していた「全国ナチュロック会」設立を来春に具体化させたい考え。
本社を新築、移転することにしたのは、営業強化を図るには甲府市内で立地することが得策と判断したため。併設する「景観研究所」は、全国に散在する天然石の情報収集の一元化のほか、国内外の主要河川に関するデータなどの蓄積機能を持たせるのが狙い。
同時に、山梨大学工学部土木環境工学科の研究グループに貸与しているコンピューターを使ったシミュレーションシステムを研究所に移設、同大学と交流パイプを太くすることと並行して、同システムを駆使した景観保護について対外的に提案していく。このため、同大学に近い甲府市屋形に用地を確保し、93年春の建物完成を目指す方針。
一方、「全国ナチュロック会」は当初、92年秋の設立を予定していた。ところが、実需急伸で生産に追われ、設立準備に手が回らないことから、計画を先送りし93年春に発足することにした。これにより、製造技術を供与している全国23社の結束を固め、一層の普及に力を入れる考え。
このほか、23社のうち粟野コンクリート工業(宮城県小牛田町)が、ナチュロック専門の子会社「仙台ナチュロック」(仙台市)を設立したのに続き、首都圏のコンクリート二次製品を扱う協同組合から提携の申し入れを受け、話し合いを進めている。
さらに日本ナチュロックは、東京福幸(山梨県増穂町)と販売提携した。提携内容は、東京福幸が所有するエボキシ樹脂と天然石骨材をセットにした透水性に優れる歩道舗装や玄関、店舗向けの塗床工法を、ナチュロックの販路で売り込もうというもの。これでナチュロック周辺業務の充実につながるという。
建物や周囲の景観を引き立てるナチュロックは、コンクリート表面にニーズに応じた種類、形状の天然石をはめ込むことで、石を目立たせ、しかもコンクリートとはがれないようにしているのが技術的なミソ。91年度の受注量は25万個、92年度は当初見込みの35万個を50万個に上方修正しており、すでに93年夏までの受注残を抱えるとしている。