1995年5月1日
石の使い方を調査研究
平成7年5月1日 週間ブロック通信
ヨーロッパ訪問で自信深める
ナチュロック佐藤専務 石の使い方を調査研究
【甲府】日本ナチュロック(本社、山梨県富士吉田市吉田3、762−1、社長=佐藤悦三氏)の佐藤俊明専務は、去る四月ヨーロッパに出張して、ヨーロッパのコンクリート製品や石積みの事情を視察した。佐藤専務はさきに天然石を活用して土木用コンクリートブロックやコンクリート製品を実用化したことから、これを本格的に企業化するため日本ナチュロック(社長=佐藤悦三氏)を設立するなどにより推進体制の強化に取組んでいる。今回佐藤専務がヨーロッパの各地を視察したのは、ヨーロッパで使われている石積みの事情を調査して、同社が取組んでいるナチュロック製品を本格的に普及させるための問題点を整理することにより新しい製品の開発に役立てるという役割を果たすことが出来たのである。
佐藤専務がヨーロッパで目にとまったのは、河川に使われてた石とか、住宅の土留に使用された石積、石積みの塀、路面に敷かれた舗石など多岐にわたっているが、なかでも西独やフランスの河川に使われている護岸やテラスに使用されている石、橋とその周囲に使われた石がまわりの環境に調和して美しい景観をつくり出していることから、大いに興味が湧いたようである。
ヨーロッパで使われている石積みの施工例は古いものが多く、施工された石のまわりが風化によって黒ずんだり、石が風化して目地の部分が鮮明になるように盛上っているなど、古い石積みの美しさが周囲の緑によく調和している。天然の石なるが故にいろいろな石は、永い時間と自然の厳しい気候の中で、その石肌はいろいろな色彩を表わし、重厚な景観を見せるのである。そこに使われている天然石は、白かったり、褐色であったり、渋く黒ずんだもの、青い石、赤い石などさまざまで、こうした石積みの擁壁や土留は自然の雰囲気をいっそう豊かなものにしている。ヨーロッパで見られるこうした石積みの景観は、日本ナチュロックが現在盛んに取組んでいる天然石のコンクリートブロック製品と共通したところがあり、製品の着想もさることながら、施工デザインという点で、学ぶべき点が多いという。天然の石は本ものであり、我が国の環境整備など公共事業の展開は量もさることながら質の問題も重視されるにつれて本もの指向がいよいよ強くなり、河川や擁壁、そして土留なども天然石の役割が強く求められるようになって来た。
ナチュロック製品はこうした本もの指向時代に対応した本格的な天然石のコンクリートブロックとして実用化したもので、これからの環境整備をリードする画期的製品だ。直径三十センチ程の石や握り拳大の石をランダムにコンクリートブロックの表面に活用して打ち込んだこの製品は、剥離することも無く、即脱、流し込み何れの製造方法でも製造は容易とする技術上のノウハウを蓄積している。施工デザインはヨーロッパの石積みと変わらない表情をつくり出すことが出来る。佐藤専務は今回ヨーロッパを訪問して古き良き時代を形成する中で築き上げられた石積みの技術を目の当たりにして、ナチュロック製品の今後の推進にますます自信を深めており、そうした自信と信念を背景にした展開は、この分野に関係する多くの人達に強くアピールするところとなり、官庁関係を始めとする需要者側から高く評価されるところとなっている。製造の技術提携とか、タイアップ生産という動きが活発になり、関東地区を始めとして、全国的にこの製品を採用するといった引き合いが活発に続いているのはこのことをよく示すものだ。
今回ヨーロッパでの石積み調査により、ナチュロック製品の使い方に、新しいノウハウと方向性をあたえ、これによって今後この製品のより力強い展開が期待されるところとなっている。