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1997年9月22日

天然溶岩から壁材 「小動物の生育場所も創出」

1997年9月22日 日刊建築工業新聞

天然溶岩から壁材
小動物の生育場所も創出

 日本ナチュロックは日本セメントと共同で、表面に多孔質の天然石を使用した環境保全に役立つ複合コンクリートボード「ナチュロックビオボード」を開発、販売を始めた。
コンクリートの持つ強固な安全性と、自然界の生態系の底辺にある植物や虫、小動物などが暮らす場となる機能を兼ね備えた製品。既存のコンクリート壁面を壊さずに表面に張るだけなので、廃材を排出せず、短工期で施工できるのが特徴。垂直な壁面でも設置可能なため、ビルの壁材としても利用できる。
日本ナチュロックは、山形県南都留郡西桂町に製造工場を建設するなど生産体制を整えている。今後は、各種展示会に出展するなどして製品の優れた点をPRしていく方針。
ナチュロックビオボードの表面素材に使用しているのは天然の溶岩。透水性、保水性に優れているため常に適切な湿気を含む。このためコケ類や微小藻類が付着しやすく、生物が生息するのに良好な環境をつくり出す。日当たりの良い場所に設置した場合は、ギボウシゴケ、ハマキゴケ、ギンゴケなどが、日影や水辺空間ではオオトラノオゴケ、ヒロハツヤゴケなどがまず成育し、これらのコケ類が様々な植物が生長する環境をつくる。また、水域では、水の浄化を促す。
このほか、真夏のコンクリート壁面の照り返しを遮断し、冬の乾燥も防止する特性を備えており、都市のヒートアイランド現象の緩和にも役立つ。強度は通常のコンクリートと同程度。
用途は、ビルの壁面、屋根、屋上、外構、河川の護岸、道路の擁壁などと幅広い。価格は1平方メートル当たり5万1,000円。製品に関する問い合わせは、日本ナチュロックまで。   なお、日本ナチュロックは、17−19日の3日間、千葉市の幕張メッセで開催された建築・都市総合技術展にナチュロックビオボードで作ったピラミッドを出展した。