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1997年11月5日

ナチュロックビオボード 「都市の自然に息吹を与える」


1997年11月5日 工業技術新聞

都市に自然の息吹を与える
ナチュロックビオボード 日本ナチュロック

 日本ナチュロック(東京都港区赤坂7−6−43、рO3−2589−3333)は、9月17日〜19日まで幕張メッセで開催された「BUFF‘97」に、生態系育成多孔質環境薄型軽量天然石複合ボード「ナチュロックビオボード」を使用した“生態系ピラミッド”を出展、注目を集めた。
近年、注目を集めているエコロジー・デザインとは都市の中に自然の生態をつなげていく試みをいうが、それを実現させるための手法は、いまだ確立されていないのが現状である。都市開発や道路開発など、生態系の底辺にある生物の生息空間を奪い、生態系全体に悪影響を及ぼしてきた人類にとって、今求められているのが自然破壊を最小限に抑えることにより、来世紀に向けたサスティナブル(持続可能)な開発を進めていく工法や素材なのである。
これまで人間が自然破壊を続けてきた構造物の象徴として無機質なコンクリートブロックがある。しかしながらコンクリート構造物を使わずに開発を続けることは、防災面から考えても困難な作業である。
「ナチュロックビオボード」は、コンクリートと多孔質な天然石(溶岩)を複合させることにより、コンクリートの持つ強固な安全性を損なわずに自然界の生態系の底辺にある植物や虫、小動物などが暮らす場を創出するという、層反する特徴を兼ね備えている。
銅展示会のシンボルパークに展示された高さ4mのピラミッドの表面には、220枚の「ナチュロックビオボード」が使われている。「ナチュロックビオボード」で施工することにより、たとえ生物を寄せつけない無機質なコンクリート構造物であっても、植物に覆われ、小動物も生息する“生態系ピラミッド”に変身するのである。
「ナチュロックビオボード」には、コケ類や微小藻類が付着しやすく、無機質な都市の壁面を穏やかに緑化していく。ポーラス状の素材が生きものの暮らす舞台となり、植物が自然発生し、季節のうつろいとともに成長していくため、メンテナンスに煩わされることがほとんどない。また、保温性、保湿性に優れているので、真夏のコンクリート壁面の照り返しを遮断し、冬の乾燥も防止する特性があり、都市のヒートアイランド現象の緩和に貢献する。
施工にあたっては、既存のコンクリート壁面を壊さずに表面を覆うだけの工法なので、廃材を排出せず、工期も短く、経済性に優れている。
垂直の壁面であっても設置可能なため、都市のコンクリート砂漠に小さなグリーンベルトを生み出す新しい景観素材である。