1998年2月1日
時代戦国
1998年2月1日 環境緑化新聞
時代は戦国、好機到来
日本ナチュロック(株)専務取締役 佐藤 俊明さん
「今年はどんどん企業の二極分化が進んでいくでしょう。よい商品と企画力をもっているところにはいい人材が集まってくる」
戦後公共事業を支えてきた大手ゼネコンの相次ぐ倒産のあと、金融機関の破綻という形で年末を迎えた97年。日本ナチュロックも例外ではなく売上げは前年比1割減を余儀なくされた。しかし、佐藤さんはきわめて冷静だ。
今の公共工事はあまりにも日本の風土に合わない資材・工法が多すぎる。土木工事の現場に足を運べば、統一性のない工区がつづき、まるで住宅展示場のような様相を呈しているのが実情。これからの公共工事は、地域性や伝統性を求める市民の声にも後押しされ、日本の風土を再生する方向へ向かっていくとみる。
「その時、大手のゼネコンでは対応は無理。しっかりとした理念と技術をもった専門業者の飛躍の時期」と確信している。
開発から12年、全国各地の施工現場で自然な生態系を復元してきた多孔質生態系環境ブロック=ナチュロックの商品価値に絶対の自信を持っているからだ。
昨年は土木で培った経験をもとに石とコンクリートの複合ガーデンキット=ビオガーデンを開発し、園芸分野に進出した。
「いまイングリッシュガーデンがブームになっているが日本では無理なところがある。ワンルームに住む若い女の子がベランダで手軽にできる日本古来からあるシダや苔を使った日本風庭園を提案したい」
この商品を一時的なブームに終わらせることのないように、会員を募りビオガーデングラブをつくる構想もある。
「講習会を開き、若い人にビオガーデンのつくり方だけでなく、自分のまわりの植物を観察すること、環境に目を向けることの大切さを教えることができれば」