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1999年4月15日

特集 街づくりと環境共生建材

1999年4月15日 環境建材Navi

特集 街づくりと環境共生建材

地球環境の保全のためには、地球温暖化の抑止やCO2の逓減、生態系の保護、環境ホルモン問題、資源の有効活用といったテーマに対して、具体的な取り組みクリアしていくことが必要なのは最早言うまでもない。環境後進国ニッポンと言われながらも、わが国でもようやくそうした施策が形になりはじめた。
しかし、まだまだ「誰かが環境を守るよ」といった程度の認識が大勢を占めているのが実情でもある。例えば、まちづくり計画の中で選定される材料を見てもそれは明らかだ。景気低迷の状況下ということで、環境に最適の材料や工法を選ぶ努力よりもコストを最優先する風潮が主流になって久しい。
国レベルの環境指針が、市町村の公共事業や民間の関連業界あるいは一般ユーザーに浸透し、まさに環境先進国とされるには、まず省庁の壁を越えた絶対的な指針が確立され、国全体に共通の認識ができ上がることが第一だ。そうなった時にはじめて「コストをかけてでも環境を守るためのまちづくりをしよう」という思想が主流になってくるのではなかろうか。
環境問題は決してきれいごとではない。そうしなければ地球が危ないという現実的な、しかも切迫した問題だ。一刻も早くそうした認識が行き届くように念願する。
ここでは、建材開発の分野で環境共生・ビオトープづくりに取り組み特徴的な製品を開発して注目されている企業を紹介し、環境問題に応えるまちづくりへの導入を提案する。

垂直緑化パネル
生態系育成多孔質天然石複合コンクリートボード
「ナチュロックビオボード」

 ナチュロックは、生態系の再生・創出する天然石とコンクリートの複合ブロックとして、河川や道路をはじめとする擁壁・土留などに新しい概念を持ち込んだ画期的な材料。これはビオトープの形成だけでなく、基本的に持ち合わせていなければならない防災機能や、地域の材料を使うことによる周辺環境との調和、といった要件を配慮したうえで開発され、この種の材料・工法に大きなインパクトを与えている。
そのシリーズのうち、多孔質な天然石を表層材に使用した軽量、薄型の「ナチュロックビオボード」はコンクリート構造物を壊さずに簡単に施工できる全く新しいタイプの景観素材なので、従来の河川や道路などに加え、建築物の壁面やモニュメントといった新たな用途にも使われている。

  ポーラス状の素材が生き物の生息空間となり、植物が自然発生し季節の移ろいとともに生長するため、メンテナンスに煩わされない。保温性・保湿性に優れ、真夏のコンクリート壁面の照り返しを遮断し、冬の乾燥も防止する特性がある。廃材を排出せず、短工期で、経済性に優れているのは工法の特長。垂直の壁面に設置可能なためとしに潤いをもたらす材料とされる。