HOME > プレスリリース > 新聞・雑誌 > 1999.5.24 読売新聞

1999年5月24日

「自然石利用ブロックの成果を国際会議で発表へ」


1999年5月24日 山梨讀賣新聞

自然石利用ブロックの成果 国際会議で発表へ
西桂の土木用資材会社 景観、動植物保護に効果

 西桂町に本部を置く土木用の環境資材会社「日本ナチュロック」(佐藤悦三社長、本社・東京都港区)が、あす25日から28日まで、イタリアのベネチアで開催される、コンクリートブロックなどプレキャスト製品メーカーらの国際会議「BIBM’99」で、自然石を利用した自社ブロック製品と景観保護について発表する。関係者によると、今年で16回目となる同会議で、日本企業の論文が発表されるのは珍しいという。
富士山を見ながら育った佐藤俊明専務は、富士山ろくの護岸工事などで普通のコンクリートブロックが広く使われるのを見て「白っぽくて目立つブロックは少しも富士山の景観にそぐわず、不自然」と強い違和感を感じたという。このため1987年(昭和62年)、西桂町に同社を設立。ブロックの表面に溶岩や河原の石といった地元の自然石を埋め込み、土地の風景になじむよう配慮した製品「ナチュロック」を開発した。
ナチュロックは、自然石で表面を覆っているため景観になじむほか、溶岩など多孔質素材を使っているためコケなどの植物が発生しやすく、数年のうちに動植物の集まる環境(ビオトープ)が生まれるなどの特性があるという。登山道の落石防止用壁材に採用されるなど富士山周辺で使われているほか、建設省が河川工事でコンクリートブロックの使用を止めるなど景観保護意識の高まりもあって、当初8,000万円程度だった売上も現在は約8億5,000万円に成長している。
国際会議での演題は「持続可能な開発のためのプレキャストコンクリート製品」。ナチュロックのこうした特性を、スライドなどを交えて15分間発表するほか、既存のコンクリートブロックに張り付けるだけでいいという、薄型コンクリートボードに同様の自然石を埋め込んだ新製品も紹介する。
佐藤専務は「伝統的な石垣の景観と、コンクリートブロックの強固さをうまく調和させられた製品だけに、欧州でも受け入れられると思う」と話している。