1999年7月6日
溶岩埋め込みのコンクリートブロック
1999年7月6日 日刊工業新聞
溶岩埋め込みのコンクリートブロック
国際会議BIBMで高い評価
日本ナチュロックが開発、論文発表
日本ナチュロック(東京都港区赤坂7−6−43、佐藤悦三社長)は、イタリアのベネチアで開催されたプレキャストコンクリート製品に関する「第16回国際会議BIBM’99」で天然石とコンクリートブロックを複合利用した自社開発製品の多孔質環境ブロックについての論文を発表した。コンクリートを使った新しい形態の製品として関心を集め、反響と高い評価を得た。
同会議はプレキャストコンクリート製品業界では世界最大の規模で、3年に一度欧州の主要各国が参加して開かれている。過去の事例からいって、日本のコンクリートメーカーが発表の場を得られたのは異例のことだという。
同社の製品はコンクリートブロックの表面に溶岩石を埋め込み、数年内にコケ類をはじめとする植物が自然発生する環境(ビオトープ)を創造することができる景観と自然環境の双方に配慮した土木・建築資材。論文では、富士山周辺の登山道の落石防止用壁材として施工した事例などをスライドを交えて紹介した。
発表した佐藤俊明専務は会議を振り返り「欧州で受け入れられるかどうか若干の不安があったが、出席者の反響やコメントを聞いて自信を深めることができた」と語り、今後は世界も視野に入れた製品開発に取り組むとしている。