2001年5月21日
造園・環境展にビオフィルム出品
2001年5月21日 週刊ブロック通信
ナチュロックの多孔質環境製品シリーズ
造園・環境展にビオフィルム出品
ナチュロック 植物の生育環境を創出
日本ナチュロック(本社、東京都港区赤坂7−6−43、社長=佐藤悦三氏)は、5月23日から25日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開く第5回造園・環境産業展エコ・グリーンテック2001に、同社が新開発した「ビオフィルム」を出品展示する事になった。
ビオフィルムは、特殊なフィルムを基盤材に表面を多孔質な素材で複合化させたもので、内部に無数の空隙が広がる多孔質な環境は微生物が生息しやすく、コンクリートなどの壁面をビオフィルムで覆うことでビオトープを簡単に創出できる。四季の変化と共に、植物が自然発生するため、自然環境を遮断する構造物のコンクリート護岸についても垂直緑化が可能となり、失われた自然生態系の回復と育成が促進できる。
ビオフィルムの特徴は、取付け時に既存の構造物を壊す必要がないため、経済性に優れ、施工費用を大幅に軽減する。また曲面構造物など多様な空間の壁面を覆うことも可能で、多様な生態系を保全、再生し、豊かな自然環境が培われる。これにより、水辺では水質の浄化を促し、都市部では屋上緑化などに用いることでヒートアイランド現象の緩和にも役立つ。こうした人工構造物の壁面に多孔質環境を創出させ、バイオフィルムを形成しやすくしたのがビオフィルムである。これは生態学分野で使用されるバイオフィルムに由来し、日本語では微生物共同体という意味になる。自然界に存在する物質の表面には微生物が付着しており、共同体内での活発な営みが生態系の再生や育成、保護、環境浄化を促す役割を担っている。無機物の石や溶岩表面にも目には見えないバイオフィルムが覆われているが、表面が滑らかなコンクリート構造物の表面は微生物が付着しづらく、バイオフィルムが形成されにくい。そこで表面が多孔質なビオフィルムでコンクリート表面を覆うことにより、四季の変化と共に、コケやツル科などの植物が自然発生し、昆虫や微小動物が集まる環境が創られていく。同社では既存の構造物だけでなく、コンクリートブロックなど建築、土木製品の表面にもビオフィルムを張りつけることで、その製品は多孔質環境ブロックに生まれ変わることから、コンクリート製品メーカーなどに供給することで広く普及を図っていく考えだ。
日本ナチュロックでは1996年にビオボードを実用化しているが、この製品は基盤材に薄型のコンクリートボードを使用することで表面に多孔質な素材が埋め込まれてビオフィルムに劣らない機能を備えている。基盤材に素材の違いはあっても、垂直の壁面に生態系が育まれ、自然環境に溶け込むという特徴は同様のものとなっている。
これら製品の最大のテーマは「覆う」という事で、コンクリート製品の地肌を植物の自然発生が可能となる多孔質素材で覆ってしまえばよいというのが開発のコンセプトとなっている。ビオフィルムやビオボードを組み合わせて施工する事により、水辺から街路へ、街路から都市へ、そして更には、住まいへとあらゆる空間をつなげる壁面を自然の息吹が感じられる環境に修景していく事ができる。
写真注釈:都市河川。上は施工前。下は施工後
写真注釈:ビオフィルムで構造物を覆う
写真注釈:ビオフィルムの特徴(ビオフィルムは超軽量、超薄型で柔軟性があり、自由にカットできる)
写真注釈:コンクリート製品への張付手順
コンクリート製品の表面をビオフィルムで覆うことで簡単に環境製品に改良できます。洗い出し、ショット仕上げ、天然石仕上げ等の必要がなく産業廃棄物も出ず、設備投資もいりません。低価格で付加価値環境製品が生まれます。
ビオフィルムの施工効果、生態系の育成、断熱効果、温暖化制御