2008年6月10日
地球温暖化の解消に 「溶岩特性を生かした環境土木リフォーム材 ビオフィルム」
2008年6月10日(火) 東商新聞
「環境土木リフォーム材」
本紙では、中小製造業の技術・製品開発を支援する「東商テクノネット技術評価事業」に応募のあった企業の中から、優れた評価を受けた企業を紹介している。今号では、日本ナチュロック(港区)を取り上げる。
●ビオフィルムとは
日本ナチュロック(佐藤俊明社長)が開発したのは、溶岩特性を生かした環境土木リフォーム材だ。今から8年前に開発したビオフィルムの技術が生かされている。
溶岩には小さな穴が無数にあるため、保水性が高く、コケなどの植物が付着しやすい。この特性を生かして作られたのがビオフィルム。」スライスした溶岩をコンクリート板に張り付けている。表面には凹凸があり、溶岩特性を生かして生態系の育成を促進する。佐藤社長が行っているのは、ビオフィルムを使ったコンクリート面の緑化だ。
●地球温暖化の解消に
通常、河川のコンクリート護岸壁などには植物が育っておらず、生態系の育成が妨げられている。コンクリートは水をかけても保水性がないので、水が流れてしまい、植物が育たないのだ。しかし、ビオフィルムをコンクリートに張っていけば、植物が育成する環境が生まれてくる。5年もすれば、無機質な構造物が緑化できることになる。ビオフィルムは単に張っていくだけなので、既存の構造物を壊す必要もない。植物が育っていけば、植物自体に保水性があるため、蓄熱が原因となって起こるヒートアイランド現象も解消につながっていく。現在、建築や土木のほか、海洋分野など、多分野での応用が見込まれるビオフィルムは、地球温暖化を解消する大きな手立てとなるかもしれない。